ネフライト
中国・Hetian産、彫刻されたジェードネフライト
緑色ネフライトに彫刻されたブッダ
オーストラリア・コーウェル産、ブルーネフライト
中国台湾・Hualien産ネフライト
中国台湾産、Hualien産ネフライト
中国、ジェードネフライトカット
人工的に着色されたネフライト
中国産、ネフライト、マルキーズカット
詳細シート
ネフライト
ネフライトは角閃石グループの微小結晶岩で、アクチノライトと鉄を含むトレモライトが合わさった微小結晶体変種だと捉えることができる。
ネフライトの大部分は主にアクチノライトで構成されている。
『羊の油』と呼ばれる白の変種はトレモライトのみで構成されており、これによって白の石色が出ている。（アクチノライトを含む最も一般的な変種は鉄を含むため緑色。）
中国では『空と地のエッセンス』である暖かい色や輝きを持つネフライトは、最も美しい宝石を意味する『Yu』という名で呼ばれてる。
アジアのあらゆる地域ではジェードは幸運と健康の象徴とされており、様々な重要な場面で贈られる石である：出生、結婚、誕生日、学位取得、ビジネスにおける契約においてなど。
化学的特徴
Ca2(Mg,Fe)5[Si4O11]2 (OH)2
カルシウムケイ酸塩、マグネシウム、鉄
体格的特徴
主な色
緑色
別の色
白, 灰色, 黄色黄色, 黒色, オレンジ色
あらゆる色調が存在する
条痕の色
白
光
ガラス光沢, 脂肪光沢
硬度
6.0 まで 6.5
密度
2.90 まで 3.10
劈開
なし
亀裂
不規則, ギザギザ
非常に小さく耐久性の強い塊
光学特性
透明
不透明, 半透明
屈折率
1.600 - 1.630
二重屈折率
0.020
明瞭、二軸性なし
二重屈折率
いいえ
多色性
なし
色の数
1
吸収スペクトクル
589
509 観察は難しい
蛍光
無し
包含物
多数：クロマイト、アパタイト、ディオプサイド、ガーネット、プレナイト、ベスビアナイト、マグネタイト、グラファイト、ピライト
結晶の特性
繊維状で固い微小結晶の集合体
結晶構造
単斜晶系
微小結晶構造
他のインフォメーション
星座
山羊座, 天秤座, 双子座, 獅子座
中国の十二星座
卯, 丑, 子, 巳, 午, 戌, 未, 亥, 申, 酉, 辰, 虎
似た宝石
採掘場所
ネフライトの鉱脈はジェダイドより数多く存在する。最も古いものはニュージーランド、南島にあるジェードの島と呼ばれる場所である。この鉱脈はマオリ人族からの評価が高かった。中国のホータン地区、カシュガル市からも産出する。19世紀Karl Faberge（カール・ファベルジェ／ロシアの宝石商）はロシア産の黒いインクルージョンのある透明のネフライトを多く用いた。その他の鉱脈は、カナダ（ブリタニックコロンビア：世界産出量の85％を占め、中国に売られる）、オーストラリア（タスマニア、カウエル）、ブラジル、アメリカ合衆国（ワイオミング州、アラスカ州、カリフォルニア州カーメル西部）、ニューギニア、メキシコ、ロシア（シベリアのバイカル湖付近、産出したものは中国に輸出される）、台湾、ジンバブエなど。
中国のウイグル、ホータン地区の崑崙（こんろん）山脈の高いところでは、ヘリアンと呼ばれるジェードが産出する。これは完ぺきな半透明の石で、中国で最も人気の高いマトンファット（羊の脂肪）という変種である。陝西省の貴州地方でも評判の良いネフライトが産出する。
ハイジュエリーにおける用途
ネフライトはジェダイトよりも数が多いため、希少性は劣る。
ネフライトはカボション、ネックレス、ペンダント、宝飾品、花瓶、器、装飾品や文化品に用いられる、香港や台湾ではジェード産業が盛んで、世界中に輸出される。
中国では
中国では、毎年恒例の宮廷行事において、皇帝が『世界と切り離れる』とされる直径60センチの暗緑色のネフライト円盤に乗るのが習慣になっていた。この円盤は1932年にパリに売られている。中国において、ジェードは皇帝一族の占有物であった。不滅性の象徴であり、故人の口元にジェードを滑らせる風習があった。
ジェードは結婚12周年、26周年の石である。
日々のお手入れと注意点
ジェダイトは人工的に着色されているものであるため、熱や溶剤に触れないようにすること。ネフライトはジェダイトよりも衝撃に強く、手入れも簡単。トーチの炎にさらすと白くなってしまうため、宝石職人は注意をしなければならない。
イミテーションと加工
ネフライトの模造品はジェダイトよりも少ない。これは世界中にたくさんある石であるため、ジェダイトよりも価値が低いことによる。鉛ガラス(中国産の物は有名）や着色ガラス、帯状ガラス、プラスチック製品、磁器、エナメルなどで模造される。さらにジェードや着色砂岩を用いたルダブレット、トリプレットや人工着色された加工ジェードもある。
極東では変色し、着色、プラスチック加工されたジェードが市場に出回っているので注意が必要である。ジェード板を合成している。
アフリカ産のグロッシュラー塊は『トランスウォール』と呼ばれるが、この名前は正しいものではない。
文化的・歴史的ストーンセラピー
中国において、孔子はジェードによって5つの効果を得ることが出来た：正義、慈悲、賢明さ、勇気、清らかさ。中国で他の石に勝ってジェードが人気なのはこのためである。
ジェードは儀式に使用される他、陽の世界が現世に化身した不思議な力を持つ石としてみなされ、少なくとも紀元前4000以上前より大変価値の高いものとなっている。あらゆる祭礼品はジェードで出来ており、これらの意味や効用は非常に細かく描写されている。
中心に穴の開いた円盤『璧』は、「空」とこの世にあらゆる作用をもたらす「中心源の穴」の象徴とされていた。また葬儀に際しては、ジェードは遺体の腐敗を防ぐものとされお守りとして用いられていた（体の上に『璧』を置いた）。
広義において、ジェードは公平さや力の象徴とされており、落ち着きや寛大さ、協調性、平穏をもたらしてくれる他、正直さや節制、寛容の心を保つのを助けるとされる。また、感情面を向上させ、満足感を与える。寿命を延ばす効果があるとも言われる。ジェードは腎疝痛（colliques néphrétiques）（ネフライトの名はここから来る）をなだめ、腎臓結石など泌尿系のあらゆる病に効果があるとされている。痛みのあるところにジェードを置き、3か月ごとに骨を焼いた粉で手入れをすることとされていた。中国人（ジェードをすりつぶして溶かし、草汁と混ぜたものを飲む）と、アメリカンインディアンの間ではジェードは治療効果がある石として知られており、ハプスブルク家のロドルフ2世は1,600エキュでジェード石を購入したと言われている。この時代、痛風や坐骨神経痛、癲癇、毒傷に効果があるとされていた。
その他
宝石
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